田中規矩士・たなかすみこ夫妻の記憶 β版

まずは右側サイドバー(スマホタブレットはスクロール)の「はじめに」からお読みください。情報が順次更新されていますので、「更新記録」も読んでいただけますようお願い申し上げます。

59.寄稿「絶対音感といろおんぷ法について」2 にしきさゆり

いろおんぷの教材について

いろおんぷに関する教材は、『いろおんぷ1集』『いろおんぷ2集』『TANAKA20ばん』(音楽之友社)『いろおんぷばいえる上巻』『いろおんぷばいえる下巻』(シンコーミュージック)などが出版されていました。

『いろおんぷ1集』

f:id:tanakairoonpu:20211220035350j:plain

『TANAKA20ばん』

f:id:tanakairoonpu:20211129041455j:plain

 

『いろおんぷばいえる』

 



 

(1960年代後半に出版されていたもの。管理人のものなので、汚くてすみません)

現在では『いろおんぷ1集』(音楽之友社)のみの出版が続いています。

たなかすみこ先生は「指導者の創意工夫」を重んじていらした。なので「たなかすみこいろおんぷ」の教材は「指導者自身の創意工夫を持って使用されるように」という趣旨で編集されています。これらの教材は「たなかすみこ先生が考える大体の進度の順番」で曲が並んではいるが、この順番でやる必要はない。双生児でない限り、「同じ顔の子供」が二人といないと同じように、生徒の発達の度合い、そして興味などが全く同じというのはありえない。なのでその時々に合わせて教師が曲を選んであげるのが良いと思う。それがたなかすみこ先生が言う「創意工夫」です。

とくにいろおんぷ1集の伴奏はこの「創意工夫」が必要です。教師の腕の見せ所でもあります。

 

音符の色付けについて

音を聴くと永遠に色がついてまわるのか?いろおんぷはごく初歩、便宜的に色をつけるだけのものなので、いつまでもインプットされているものではない。

(管理人注:管理人もいろおんぷ出身ですが、演奏する時いつも色が思い浮かんでいる訳でありません。演奏に集中しているのでそんな余裕はないです。音楽を聴いている時も管理人は「共感覚」の持主ではないので、特に色は浮かびません。)

いろおんぷになっているのは、『いろおんぷばいえる上巻』のバイエル22番まです。そのあたりまで進んでくると、楽譜に慣れてきて子供たちは「色塗り」を面倒がるようになります。そのころになると、楽譜の「線と間」の感覚がわかってくるようです。そうなったら「いろおんぷ」は卒業です。

バイエル23番からは黒い普通の音符になっています。それでも音符に慣れていないようであれば、音符の棒に色を塗っても良いと思います。

普通に白抜きにした音符のたまを塗る。

f:id:tanakairoonpu:20220111034130j:plain

音符の棒に色を塗る。

f:id:tanakairoonpu:20220111034037j:plain

いろおんぷから普通の黒い音符に移行する時にも教師の「創意工夫」が必要です。あっさり移行できる子供もあれば、そうでない子供もいます。教師はよくその子供を観察して適切な方法を考えてあげてください。

一例として23番から音符の棒に色を塗って、ある程度弾けるようになったら、いきなり黒い音符で弾かせてみるというのも一つの方法です。いろおんぷと黒い音符を同時に書かせてみるのも一つの方法です。

余談ですが、大人でも多くの加線がついた音符の棒に色を塗ると、覚えやすくなりますよ。あとどうしても間違えてしまう所、勘違いをしてしまう所なども音符の棒に色を塗ると、覚えやすくなります。(管理人注:最近では100円ショップにカラフルな付箋が多く販売されています。いろおんぷの付箋を貼り、覚えたら外すと楽です。)

f:id:tanakairoonpu:20220111034256j:plain

色塗りは時間がかかっても、音符からはみ出しても、恰好が良くなくても子供自身で塗らせてください。

 

いろゆびわについて

初めてのレッスンの時に、全部つけてあげて「パパやママよりたくさん指輪つけてるねーすごいねー」とほめてあげると子供は喜びます。

(管理人注:どこかの発表会でいろゆびわの解説をするにしきさゆり)

f:id:tanakairoonpu:20220111035111j:plain

 

びわも慣れてきたら「ド」から順番に外していきます。「ド」→「ソ」(端から)→「レ」→「ミ」→「ファ」と外すと良いかと思います。

びわには「ラ」と「シ」がありません。「ラ」と「シ」は「ソのお指を借りましょう」と教えるとうまくいきます。

例としてチューリップの曲、「ソソミソ」「ララ」「ソ」。「ラはソのお指を借りましょう。そして借りたものは返さなくてはいけないよね?だからソに返しましょう」と声掛けをすると難なく弾けます。

 

いろおんぷの教材は初めは「オクターブユニゾン」です。人間の指は同じ指が動かしやすいように出来ています。しかしピアノは違う指を動かします。「オクターブユニゾン」は音は同じなのに、指が違います。これはこの後、左右違う音を弾く勉強にもなります。

色カードも慣れてきたら外しましょう。

 

これらのことはたなかすみこ先生の著作にも書かれています。いずれ纏めたいと思っています。

 

たなかすみことにしきさゆり

f:id:tanakairoonpu:20220111034521j:plain

いろおんぷ指導講習会にて。にしきさゆりとたなかすみこ

f:id:tanakairoonpu:20220111035715j:plain

スピーチをするにしきさゆり。それを見るたなかすみこ

f:id:tanakairoonpu:20220111040201j:plain

 

「寒い~!おしくらまんじゅうよ笑!」

f:id:tanakairoonpu:20220111040311j:plain